本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]

大きなシネコンが苦手である。
たいてい、
チケットを買う段階で、
座席を決めなきゃならないでしょ。
あのシステムに抵抗を覚えるのである。
俺としては、
場内に入り、よく見て、確認してから席を決めたいのだ。
スクリーンとの距離、
座席の傾斜度、
空調設備の配置、
それと、周囲にどんな客がいるのか。
それらを総合し、検討し、納得してから、腰を落ち着けたい。
この話をすると、
指定席は一つの目安なんだから、
途中で席を移動すればいいじゃん、
と言われる。
が、俺の性癖からして、
いつ、誰かが途中で走りこんできて、
すいません、そこ私の席ですけど、
って注意されるんじゃないかと思って、気が気じゃない。
映画に集中できないのである。
とても、かつて、およそ二十年間も映画会社に勤務した人間とは思えない、
と我ながら呆れるのであった。
で、ようやく、その指定席(俺に言わせれば、強制席)システムのない、
原始的な映画館に流れてきた、あの、
「グラン・トリノ」
を今週ようやく観た。
はぁ、やっと観た。
長い前置きだったけど、ここからが本題。
もちろん、
「グラン・トリノ」讃歌。
冒頭、イーストウッドの登場シーン、
背筋が凍りついてしまった。
緊張と驚きと恐れを覚えた。
こ、このイーストウッドの顔つき
死んだ爺さんにそっくりだっ!
「顔」ではない。
「顔つき」のことである。
爺さんはとても優しかったが、
たまに、ごくたまに、凄く恐い顔を見せる時があった。
どういうタイミングだったかは覚えていない。
ふと、見せるのである。
別に俺を叱っているのではない。
日常の中で、何かの拍子に、ふと垣間見せ、一瞬のうちに消える。
爺さんは、大戦中、海軍士官であった。
その時代に刻まれたものが、
表情に蘇るようだった。
その顔つき、
イーストウッドがまさにそれだった。
そして、
登場シーンからしばらくして、
朝鮮戦争で兵役についていた過去が明らかにされる。
ホント、背筋が凍ったよ。
イーストウッド、出てくるだけで、元軍人を体現していたのだ。
俳優の演技とはここまでの高みに達しうるのか。
のっけから、もはや、映画に引き込まれ、いや、飲み込まれてしまった。
あとは、
どう感想を書いても、似たような賞賛を羅列するだけになってしまう。
読む方は退屈だろう。
なので、
一つのアングル、
それは、
「作品に塗り込まれた映画史の片鱗」
について述べて、讃歌の代わりとさせていただく。
ちょいと長くなってきたので、
つづきは、明日。
晩飯。汗かいて、魚屋へ飛び込んだら、マグロを値引きしてくれた。コタダも買う。
もちろん、酢飯で海苔に巻いてかぶりつく。
それ食いながら見た「すべらない話」の
「ガス代」byほっしゃん
胃痙攣しそうなくらい笑った。
今朝、
もう、ユーチューブにアップされた!
「ガス代」で検索せよ、必見!!!
健筆!献筆! 五十歳なんかまだまだ、イーストウッドを見習え!
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