本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]

新作(早川書房より来年刊行予定)のプロットやらストーリーラインに取り組んでいる。苦悶、懊悩、七転八倒・・・・・・。新たな試みはなかなか大変だ。
仕事に煮詰まった時、俺は報道番組や記事に目を通すか、町内の古書店を徘徊する。
ニュース記事。
千葉県の小学校で理科の実験の最中、ガラス製のフラスコが破裂し、生徒たちが怪我を負う。
似たことが、俺の小学五年の時、あったな。
バカな担任教師のせいである。
ストーブにかけた金属製洗面器の熱湯に、アルコールの入った試験管をつけ、その沸点を調べる、という実験。
そんな実験、危ないに決まってるだろがっ。
いきなり、試験管から大きく火が吹いて、女子生徒が火傷を負った。入院だよ。
もう、大騒ぎ。
後で、知ったけど、そのバカ教師、一度たりとも女子生徒にもその両親にも謝罪の言葉がなかったという。自分のせいではない、という了見。
当然、翌年、うちのクラスの担任から外された。
以前、当欄に記したけど、三年の時の担任教師は女子生徒への猥褻行為で懲戒免職させられている。
うちのクラス、リアリティが無いくらい呪われていたよ。
そのせいか、クラスメイト、今も、みんなたくましい。
しかし、うちのクラス、現在だったら、絶対にニュースにのって全国から注目の的だったろうな。映画化される悪夢もあったかもしれん。
南口、松庵にある古書店「スコブル社」へ。
ポケミスを始め、数冊を購入。
それらの本を見て、店主がレジを打ちながら、「文筆業の方ですか?」。
す、鋭い。
こちらの素性を述べる。
そして、いろいろと四方山話を語り合った。椅子に座らせていただき、コーヒーまでご馳走になる。
店主さんは俺と同い歳であった。現在、発売中の月刊「東京人」中央線特集の78ページに写真も掲載されている、飯村宙さん。
この古書店には、文筆業、編集、写真などの出版関係や、映画、演劇、舞踊など、さまざまなジャンルの方々が出入りしているようだ。
飯村さんは、古書店を営みながら、様々な資料を収集し、文筆業者のためのレファランス・スタジオのようなシステムを形成しつつある。
具体的に情報を交わしていると、作家や評論家などに共通の知人がかなり多いことにお互いに驚いた。それに、映画関係者も。
東宝のN君も名が挙がった。
ピンポンパンピーン。というわけで、東宝の西野尾様、
「スコブル社」の飯村宙氏から「よろしく、お伝えてくださいませ」とのメッセージ、でありました。
あ、あと、先日は、私目のバカミス・トークライブにお越しいただき深く御礼申し上げます。俳優の伊藤雄之助、私もファンですよ。ピンポンパンピーン。
話し込んでいるうちに、あっという間に2時間近く経っていた。
この町に住んでいる楽しみがまた一つ増えた。
そういえば、以前、杉江松恋氏に西荻窪の古書店地図を見せた時、氏は真っ先に「スコブル社」を指し、ここに行ってみたい、と言った。これまで行ったこともなく、予め知識を仕入れていたわけでもないのに。まったくの直感で、そう言った。
やはり、達人は達人の気配を時空越えて感じるのだろう。
「ハートランド」店主・斉木博司氏といい、オンライン「杉並北尾堂」の北尾トロ氏といい、本の達人たちに、俺はいつのまにか囲まれている。
幸せな因果鉄道に乗っている気分。行き先が解らんだけ。それも、また、楽しさである。
夜は「戎」北口店で一杯。
常連客の話がBGM代わり。
「さっき、南口店でボージョレ、飲んできたよ」だって。で、今、北口店にいる。
「戎」から「戎」へ、何とも濃厚な常連さんだ。
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