本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]

講談社の文庫版雑誌「IN・POCKET」に、今年の文庫ミステリ・ベスト10が掲載されている。
読者、作家、評論家の方々による投票によるもの。
数々のコメントの中で、鋭さを感じたのは作家・折原一さんの、J・ディーヴァー「クリスマス・プレゼント」に対する一文。
「なかなかおもしろかったが、日本人作家が同じことをやったら評価されないだろう。」
うむ、「101号室の女」「ファンレター」といったギミックの手本帳のごとき逸品を手掛けた作家ならではの発言、説得力がある。
ちなみに、俺は一票入れちゃったけどね。
確かに、日本人作家が書いたなら評価されなかったろう海外ミステリって、毎年、いろいろあるよな。
殊に本格系。この程度のギミック、トリック、ロジックで、こんなに高く評価されるのか、って思うこと珍しくない。
ささやかなるアドバイス、
これから、本格ミステリ作家になろうと修行している方たちへ。
まず、外国に移住しなさい。そして、外人らしいカタカナのペンネームを名乗りなさい。
そして、日本人であることを隠して作品を発表しなさい。
出来れば、英語やフランス語で書いて、自分で日本語に翻訳(?)して、出版社に持ち込むなり、新人賞に応募しなさい。
あ、新人賞で授賞式に出なければならない場合は、金髪に染め、ブルーのコンタクトレンズで、外人に変装しなさい。
もちろん、スピーチは英語やフランス語やロシア語などで。
「アリガト、ゴザイマス」って一言だけカタコトの日本語なんかも効く。
本棚が一つ、壊れた。
俺の仕事場には、キャスター(車輪)付きの本棚が五つ、置かれている。
それぞれ、「超常現象」「キチガイ」「警察関連」「奇人変人」「珍事件」などのカテゴリーに分類されている。
その書籍数、およそ、400冊。
バカミスをやるのに、それだけ命綱が必要だってわけさ。
それらの移動本棚を、執筆中、パソコン・デスクの周囲に、引き寄せておく。さながら、バカミスを操縦するコックピットだ。
激しい地震なんかが起きると、本棚があっちこっちへ滑走する。ポルターガイスト現象を見ている気分になる。
キャスターにガタがきていて、なかなか動かないものもある。
で、その一つがついに壊れた。キャスター部分を支えていた木枠の一つが割れたのだ。
三本足では何の役にも立たない。仕方なく、キャスター部分をノコギリで切断して、普通の本棚にした。
ちなみに、「珍事件」用の棚。「超常現象」だったら、ちょっと気になったかも。
しかし、この本棚、動かないと単に仕事部屋の場所を取るだけの存在。
やむなく、本の大移動を試みる。
まず、パソコン・デスクに最も近い本棚(固定)のポケミス、数百冊を一階へと運ぶ。
その空いたところに、「珍事件」本を収納した。こんどはかなり余裕がある。
一方、一階に移動したポケミス群。さて、どうするべ?
DVD、ビデオ専用の棚の下段を整理すると、かなりのスペースを確保できた。
そこに、ハードカバーを詰める。
そして、今まで、それらハードカバーの置かれていた本棚に、ポケミスを二重にして詰め込む。ふう、どうにか、収まったよ。
一階と二階との本棚、入れたり、出したり、あっち動かし、こっち動かし、まるでパズルのようだった。
本の整理で、半日が潰れちまったよ。
しかし、これから先も、本は増えることはあっても、減ることは無い。
すぐ近所に図書館があればとつくづく思う。
ワセダミステリの同期、Y君、羨ましいぞ。住まいが吉祥寺図書館の隣のマンションでいやがる。
ああ、「ブックオフ」でも「ブックスーパーいとう」でもいいから、歩いて3分以内のところに出来ないかな?
うちから最も近い、古本屋、これが変な店だ。
同じ店舗内で、米屋をやりながら、古本屋もやってるのだ。
肉体の主食と、知能の主食ってこと? 何考えてんすか、店主さん? 考えてないの?
夜、「戎」北口店で一杯。毎度毎度、でも、やっぱし、ここがイチバン落ち着く。
煮込み大根が冷えた体に染みるぜ、クーッ。
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