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■ 12月17日(日)
December 17, 2006 2:38 PM


 出た、出た、出たーーーー。
「快楽亭ブラックの放送禁止落語大全2」(洋泉社)。
序文にブラック師匠も記されている通り、前作では危険すぎるのではと危惧し、差し控えた作品を、今回はドーンと掲載している。
「オマン公社」「聖水番屋」「マラなし芳一」etc。


しかも、しかも、
「オナニー指南」「イメクラ五人廻し」のCDの付録。
これで、1714円+税、とは太っ腹、えらいぞ洋泉社。
さすが、「映画秘宝」の版元だけある。


さてさて、ちょいと大変なことに気付いてしまった。
この本、amazonや楽天など、ネット書店て゜購入しようとしたら、なんと、在庫切れ。
おお、そんなに売れ行きが好調なのか、それならば、ホント、心底から嬉しい。
が、奥付けの発行日は、12月21日、と記されている。
つまり、ごく最近、それもここ数日のうちに刊行されたはず。
売れ過ぎにも程があるんじゃないか。もう在庫切れとは・・・。
何やら、匂う。
そう、あの某団体の謀略の匂いが。


当[報告書]の12月7日の項を参照していただきたい。
本当は、この日が刊行日の予定だった。
が、某団体がどこかでこの本のゲラか何かを入手。
そして、ある箇所について、激しく抗議した。
初版六千部をすべて買い取り、焼却する、と版元・洋泉社に申し入れした。
洋泉社の編集責任者はその団体と話し合った。
が、交渉決裂。
断固として、ブラック師匠の書いた一行一文字たりとも削ることなく、出版すると決意を表明し、敢行したわけである。


そうした経緯を、ブラック師匠は7日の「トンデモ落語会」の高座で語った。
ちなみに、抗議を受けた演目とは「朝鮮人の恩返し」。
しかし、そのモンダイの団体とは、朝鮮関係ではない。
信濃町あたりに大きな本拠ビルを構える某宗教団体で、政界にも大きく進出している。


そうした紆余曲折を経て、予定より一週間遅れながらも、つい数日前に出版された。
俺は、amazonで注文しようとしたところ、前述のように在庫切れ。
慌てて、楽天でオーダー。
在庫有り、そして、注文賜りましてありがとうございます、との返信。
ホッ。
と、と、ところが、翌日、「在庫切れのためキャンセルとさせていたた゜きます」、とのメール。
どう見ても、怪しいだろっ!
あの団体が動いている。暗躍している。
買い占めて焼却している、その可能性は濃厚だ。
で、俺は、焦燥に駆られ、高田馬場の芳林堂に電話し、在庫を確認する。
あったよ。
で、取り置いてもらった。
そして、今、ここ、手元に無事にある。


モンダイとされたと思しき箇所は、
本文の、42ページから43ページ、だろう。
ふふふふふ、ちゃんと削られることなく、高座で聞いた通りに掲載されてる。
いいぞ、ブラック師匠!
それに、洋泉社、ホントに偉い! 
権勢に屈しない姿勢には涙さえ出てくるぞ。
すべての出版社に見習ってもらいたい。


そして、某団体さんにはどんどん買ってもらいたい。
そして、洋泉社さんはじゃんじゃん増刷しちゃってほしい。
ブラック師匠の借金は、これで、返済できる。
これぞ、奇蹟の掟破りの異端の大逆転劇!!!
がんばれ、ブラック師匠、洋泉社、俺らが破家者たちが応援しているぞ!
DSCN1098.jpg



 ブラック師匠の本を無事に入手し、そのまま、高田馬場の喫茶店へ。
ワセダミステリクラブの創立50周年の企画会議に参加する。
現役学生とOBの約二十名もの混成チーム。
いやはや、歴史の重みをズンッと感じる。
OB面子には、森英俊、野村宏平、高瀬美恵、日下三蔵、白須清美など業界者の顔も。(←敬称略、乞う了承)
二時から六時まで、四時間にわたり、パーティーや記念誌なと゜多岐にわたる綿密な打ち合わせ。


その後、近くの居酒屋で懇親会。
はからす゜も忘年会となった。
ブラック師匠の本が俺のカバンの中にあったせいか、その言霊が酒席に憑依したかのように、アブナイ笑いが飛び交う、実に楽しく文化的な宴であった。
それにしても、終盤、高瀬美恵が「竜がごとく」(?)というゲームについて語る、興奮ぶりは壮絶で、その狂乱の暴走を誰も止めることが出来なかった。
でも、きっと、本人は何も覚えていないのだろう。
激しく日本酒を手酌でかっくらってたからな。
皆さん、よいお年を。



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