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■ 12月4日(月)
December 4, 2006 2:44 PM


 さてさて、昨日の続きだよーン。
インパクトなラーメン屋の殿堂入りを祝福する大特集。
「ラーメン爆物館」略して「ラー爆」の後編、始まり始まりーーーー。


 北海道函館の漁港にある屋台で食える、とても豪華な「海の幸ラーメン」。
毛ガニ、ホタテ、イカ、イクラなどなどあらゆる新鮮な海の幸がテンコ盛り。
こりゃあ、すげえ、と大喜びで食う。
食っても、食っても、次々と海の幸が出てきて、眩暈がするくらい。
ホントに豪華。
いや、豪華すぎるのだ。トッピングの海の幸をたいらげていって、ようやく、麺と汁に辿り着く。
その時には、既に、麺はフニャフニャにのびきり、汁はぬるーくなってる。
なので、ラーメンの部分、ほとんどの客は残してしまう。
ラーメンの意味の無い不条理なラーメンなのであった。


 千葉の某海岸、海の家で供されるのが、「蟹味噌ラーメン」。
わーい、蟹味噌が入っているのかと思わせて、「蟹」「味噌ラーメン」と区切るのが正解。
たわいない味噌ラーメンの上に、ほとんど殻だけのカニの足が一本のってるだけ。
叙述トリックのラーメンである。


 ああ、今回も、寄稿してくれましたよ、当HPお馴染みの童話作家・ますふじ圭くん。
毎度毎度、誠にありがとうございます。
しかも、奥様もお揃いで。
もう、なんだか当HPに住みつかれてしまった感じがしてくる。
軒を貸したら母屋をナントヤラ?
まあ、何であれ、盛り上げてくれて感謝感激であります。
それでは、まいりましょう。
まずは、レディファーストで、奥様からのお話を、ますふじ圭くんが伝えます。


 町田にある某ラーメン屋!
ここの柚子胡椒ラーメンが絶妙に旨い。カミさんの近所のNO1。
ただし、店主が無口・頑固キャラ。
カミさんがひとりで入店して、メニューをチェック。
「柚子胡椒のチャーシューメン、お願いします」
注文すると、他の客も女性店員も顔色変える。空気がいっぺんに凍りつく。
「あれ、なんか、おかしい・・・」
と感じたカミさんに、隣の客が、
「ゆ、柚子胡椒にチャーシューは禁句なんですよ」と耳打ち。
チャーシューメンは、メニューとして存在しているが、
柚子胡椒チャーシューは、店主にとって、存在してはいけないものだそうな。
「ゆ、ゆ、柚子胡椒にしてください」と裏声で訂正。
終始、差すような視線を店主に浴びせかけられて、冷や汗流して、ラーメン啜って逃げ帰って来たのです。
あとで、確認したら、
柚子胡椒と特製チャーシューが合う合わないで、ラーメン評論家と店内で殴りあい寸前になったんだとさ。
店主は、チャーシューの味を変える気は無く、合わないなら、柚子胡椒にはチャーシュー入れないと宣言したんだと。
そんな、店主だからか、近ごろ暇みたいだな・・・。

 

 奥様、胃がこわばって、食べた気がしなかったでしょうね。ご同情申し上げます。
この店に、ご夫婦で行って、チャーシューメンと柚子胡椒ラーメンをそれぞれオーダーし、お互いに混ぜっこしてみてください。
報告をお待ちしております。


では、続きまして、ますふじ圭くん御本人のお話。今回のトリです。


 おいらが体験したインパクトラーメンの情報をいくつか!
1)店名なしのラーメン店
相原駅の近くに10年近く前まであった。
初めて行ったときに、注文に迷っていると、お品書きに『ラーメン150円』とあった。
「え、ラーメン150円?!」
「うちのラーメン食べれば、うちの他の味も良くわかるよ」
と自慢げな店主。
ラーメンを注文・・・絶句。
麺とスープ以外、ネギさえも入っていない!
味も良ーーーくわかり、以後2度と行かなくなった。
数年して、店主は開店中に心臓破裂で急逝。


2)橋本のラーメンショップ
チェーン店のラーメンショップの看板。
カウンターに数人の男客。みな、ビールにつまみ。
「ラーメンください」と言うと、客たちから異様な視線。
店主は、化粧の濃いが、ナイスバディの40がらみのお母さん。
「え、ラーメン?!」って顔を一瞬して、ガスに鍋を架ける。
そこに、麺をどぶんと入れて湯がき始めた。
ゆで上がった麺をどんぶりにあける。
次に、ゆでて白濁した湯に、タレやら化学調味料やら、他に何やら色々入れて、それをどんぶりの麺に注ぐ。
「え、スープは?なにそれ?」
そこに、冷え切ったチャーシュー他の具を乗せ完成。
見た目は、豚骨ラーメン・・・。味は・・・。
1杯600円だよ!ざけんなよ。
後日、この女店主、客のひとりと駆け落ちするように夜逃げ。


3)山形県小国町の熊の手ラーメン(熊の手そば)
山形県の豪雪秘境小国町。その山奥の飯豊連峰の登山口近くにある、日本最秘境のそば屋!
行者にんにくそばは絶品!
ここに、熊の手ラーメン、熊の手そば、なるメニューがある。
おいらは食したことなし。
だって、価格は1杯10万円なんだもの!
カミさんの小国の親戚が、一度、食した。
飯豊山系で仕留められたツキノワグマの前足、つまり手の平が1枚、ずこんと入っているのだそうな。
熊の手は、漢方でも珍品。ゼラチン質で、獣くさいフカヒレみたいなものらしい。
ハチミツをかき集めた手のひらは、ほんのり甘い?!ほんとか、どうか、味は不明だが。
今でも、通常メニューで「熊の手ラーメン100000円」とあるのだ。
TVでも話題になったことがあり、ネットでも検索できるので、見てみて。
 


 あ、も一つ、思い出した。
ラーメン店の個性ではないけど、インパクト。
おいらが大学生の頃に見たワンシーン。
赤羽の中華屋で、店主と客の押し問答。
「ラーメンライスに餃子ね」
「お客さん、うちはラーメンライスはないんですよ。餃子ライスとラーメンでいいですか?」
「なんだよ、できるだろ、同じじゃないか。ラーメンライスと餃子だよ」
「だ・か・ら、うちにはラーメンライスはないんですよ」
「餃子ライスにラーメンができるなら、ラーメンライスに餃子もできるだろ」
「だ・か・ら、ラーメンライスはないんです!」
これをさらに数回繰り返して、客はカウンターを叩いて激怒しながら出ていきました。
おいら、その晩、一所懸命に組み合わせを思い浮かべ眠れませんでした。


 ますふじ圭くんと奥様、ホントにありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い致します。
昨日、ご登場された大倉崇裕さんからは、以前に、カレーも面白いのではとご提案いただいております。ありがとうございます。
ナルホド、インパクトなカレーを集めたハウス、
「爆モンド・カレー」、因果と秘密がトローリ溶けてる、悲劇カンゲキ!って感じですかね。是非とも検討してみたいと思います。
というわけで、今回、「ラーメン爆物館」特集、皆様のおかげをもちまして無事に幕となりました。
心より御礼申し上げます。
なお、今後とも、「ラー爆」は常時オープンしておりますので、殿堂入りにふさわしい店がありましたら、どなた様でお気軽に、ご報告くださいませ。よろしくお願い致します。


 晩飯。カワハギが新鮮だったので、ちり鍋に。キモが大人の味の美味さ。冷酒がいける。



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