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■ 9月29日(日)・2013
September 29, 2013 10:32 AM


ああ、本当に
「あまちゃん」
終わっちゃったよ、まさかと思ったけど(←どんな根拠だ?)。


劇中に
アイドル隆盛の八十年代が織り込まれているのが
大きな楽しみの一つであったよな。


当時、映画会社に勤務し、
約八年間を宣伝部で過ごした自分には
あれこれとメモリーが去来し、感慨深いものがあった。


で、ふと、記憶を辿り、
おっ、と思ったこと。


「あまちゃん」で
鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の主演映画「潮騒のメモリー」だが、
これのベースになっているのは、
もちろん、何度も映画化されている三島由紀夫原作の「潮騒」。


八十五年にも映画化されていて
主演は、堀ちえみ。
やはり、鈴鹿ひろ美と同様に、これがスクリーンデビュー。
また、その数年前、
歌手・堀ちえみのデビュー曲が、
「潮風の少女」、うん、暗示的だ。


なんで、ここらへんのメモリーにこだわるかというと
この時の映画「潮騒」は
自分が宣伝担当だったからである。
ロケ現場に何度も往復したもんだよ。


あ、そうそう、ポスターの宣伝コピーも作った。
「寄せては返す波のように」
ではなくて、
「波と光の虹しぶき、寄りそう想いは渚のプリズム」
はははは、キザだし、盛り過ぎだね。
若かったなあ。


この「潮騒」は二本立てで
併映作は武田鉄矢主演の
「刑事物語4」、サブタイトルが「くろしおの歌」。
「潮騒」に「くろしおの歌」、
大漁を祈念した興業だったのかもしれんなあ。
けど、宣伝チームが応えられなくてゴメンナサイ。


さて、この「刑事物語」シリーズだが、
八十四年にも公開されている。


1984年といえば、
「あまちゃん」初回、
天野春子(小泉今日子・有村架純)が北三陸を出て、上京するエピソードだ。
アイドルを夢見て。


天野春子の小さな部屋には
たくさんのアイドルのポスターが貼ってあって、
特に、
松田聖子が大きく目立っていたね。


話を戻す。
八十四年の「刑事物語3」
サブタイトルは・・・・・・・・・・・「潮騒の詩」。
そして、これも二本立てで、もう一本というのが
「夏服のイブ」
主演は、松田聖子。


そして、
「刑事物語3 潮騒の詩」にも
大物アイドルが、スクリーンデビューを果たしている。
第一回東宝シンデレラの
沢口靖子である。
そして、主題歌「潮騒の詩」を歌っているのだ。


考えてみれば
「潮騒のメモリー」の鈴鹿ひろ美の
薬師丸ひろ子も
角川映画の初代アイドル、第一回シンデレラのような存在だ。


「潮騒のメモリー」をキイに
薬師丸ひろ子、小泉今日子、松田聖子、沢口靖子、堀ちえみ
がリンクしてしまう。
まさに、八十年代の潮流が迫ってくるようだ。


もう一つだけ、記しておこう。
この年、八十四年、「刑事物語3 潮騒の詩」の後、
沢口靖子は
大作映画に主役の一人として出演している。
「ゴジラ」


ゴジラが日本列島を未曾有の危機に陥れる、
その上陸シーンは、原発の襲撃。
過去と現在を繋ぐ暗喩を感じさせる。


八十年代をプレイバックすることにより
二十一世紀を照射して、
「あまちゃん」は希望の力と、
希望を持つ勇気と責任を
見せてくれたようにも思えるのである。


やっぱり、「あまちゃん」は素晴らしい!
まさか、
ホントに終わると思ってなかったよ(←だから、どんな根拠だ!?)

 

 

 

 


 晩飯。カツレツ、シチュー、コンニャク刺身、マカロニサラダ、などをあつらえてもらう


 



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